【薬機法対応】ホットペッパービューティーの
メニュー名・クーポンで使ってはいけない表現一覧
「痩せる」「シミが消える」「小顔になる」——集客のために書いたその一文が、薬機法や景品表示法に抵触している可能性があります。HPBは不特定多数が閲覧する広告媒体であり、掲載文はすべて広告規制の対象です。本記事では、NG表現とその言い換え例、そして今日から点検すべき掲載箇所を一覧で整理します。
なぜHPBの掲載文が違反になりやすいのか
理由は単純で、HPBの掲載文は「広告」だからです。サロン内で口頭説明する内容と、不特定多数が閲覧するWeb上の掲載文とでは、適用される規制がまったく異なります。
さらにHPBは検索順位とクリック率を競う構造のため、他店より強い言葉を使いたくなる圧力が常に働きます。近隣店が「1回で−3cm」と書いていれば、自店も同等の表現をしたくなる。この連鎖が、業界全体で表現のインフレを起こしています。
重要な前提として、「他店もやっている」は免責になりません。また「※効果には個人差があります」といった打消し表示を付けても、本文そのものが医薬品的な効能を標榜していれば違反は成立します。
サロン広告を規制する3つの法律
医行為に該当する施術は医師のみ。注射・切開・医療機器を用いた行為はサロンでは行えず、広告もできません。
化粧品は広告可能な効能効果の範囲が定められています。範囲を超えた効能を掲げると違反です。
実際より著しく優良に見せる表示(優良誤認)、根拠のない価格表示(有利誤認)が対象になります。
サロンの掲載文で問題になるのは、この3つが同時にかかってくる点です。たとえば「医療レベルの脂肪溶解で−5cm、通常20,000円が今なら5,000円」という一文には、医師法・薬機法・景品表示法のすべてに触れうる要素が含まれています。
強い言葉ほど集客できる、は短期的な話。
行政指導が入れば、掲載停止と信用低下の両方を失う。
【一覧】NG表現とOKな言い換え
身体の変化を断定する表現
| NG表現 | 問題点 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 痩せる/脂肪を分解 | 医薬品的効能の標榜 | スッキリとした印象へ導く |
| 小顔になる | 骨格・身体の変化を断定 | フェイスラインの印象を整える |
| −3cm確実 | 効果の保証・優良誤認 | 数値の断定は使用しない |
| シミが消える | 化粧品の効能範囲外 | 日やけによるシミ・そばかすを防ぐ |
| ニキビが治る | 疾患の治療を標榜 | 肌を清潔に保ち、健やかに整える |
| アンチエイジング/若返り | 老化の回復を標榜 | 年齢に応じたお手入れ |
| デトックス/毒素排出 | 身体機能への作用を標榜 | めぐりを意識したトリートメント |
| 永久脱毛 | 医療機関のみ可能 | 使用しない(サロンでは不可) |
医療との混同を招く表現
- 医療レベル/クリニック同等
- 注射/注入/施術で薬剤を入れる
- 〇〇治療・〇〇療法
- 医師監修の施術(実態がない場合)
- ダウンタイムなしで効果は永続
- サロンケア/トリートメント
- 塗布・ハンド・機器によるケア
- 〇〇コース・〇〇ケア
- 使用商材名の明示(事実の記載)
- 継続的なケアをおすすめしています
注射・注入行為は医行為に該当し、医師免許のない者が行うことはできません。製剤名を掲げていても、サロンで提供できるのは塗布や機器を用いたケアの範囲です。メニュー名に「注入」「注射」を含めると、実態がなくても医行為の広告とみなされる恐れがあります。
価格・実績に関する表現
| NG表現 | 問題点 |
|---|---|
| 通常20,000円→本日5,000円 | 通常価格での販売実績がなければ二重価格表示 |
| 地域No.1/満足度98% | 調査根拠を示せなければ優良誤認 |
| 限定3名(実際は常時掲載) | 希少性の偽装 |
| 今だけ(恒常的に掲載) | 有利誤認のおそれ |
点検すべきHPB内の5つの掲載箇所
メニュー名だけを直しても不十分です。HPBは複数箇所に自由記述欄があり、そのすべてが広告にあたります。
- メニュー名・メニュー説明文:最も目に触れ、最も指摘されやすい箇所
- クーポン名・クーポン説明:価格表示と効果表現が同居するため二重にリスクが高い
- サロンの紹介文・こだわり条件:長文になりやすく、過去の記述が残りがち
- スタイル・フォトギャラリーのコメント:写真の説明文も広告表示に含まれる
- 口コミへの返信:サロン側の発信であり、効果を追認する返信は要注意
特に見落とされるのが5つ目です。お客様が「10kg痩せました!」と書いた口コミに対し、サロンが「効果が出て良かったです」と返信すると、サロンがその効果を広告として追認したと評価される可能性があります。感謝を伝えるにとどめ、効果への言及は避けるのが安全です。
写真と口コミに潜む景品表示法のリスク
ビフォーアフター写真は、サロン広告で最も指摘を受けやすい領域です。撮影条件が異なるだけで優良誤認と判断されうるため、次の点を揃える必要があります。
- 照明・角度・距離・撮影時間帯を統一する
- 加工アプリによる体型・肌の補正を行わない
- 実際にかかった期間を正確に表示する
- 同一人物・同一部位であることを明示する
- 着衣や姿勢による見え方の差を作らない
実際よりも大きく痩せて見えるよう加工したり、実際にかかった期間より短く表示したりする行為は、景品表示法上の優良誤認表示に該当します。「盛る」余地を残さない撮影ルールを、店内で先に決めておくことが唯一の防御策です。
安全な文言に書き換える3ステップ
- 「結果の断定」を「体感・印象」に置き換える 主語を身体の変化からお客様の感じ方へ移します。「脂肪が落ちる」ではなく「軽さを感じるケア」。断定を避けるだけで、多くの表現はリスク圏から外れます。
- 効能ではなく「事実」で専門性を語る 効果を書けない代わりに、使用商材名、施術時間、工程数、カウンセリングの内容といった事実を具体的に書きます。事実の記載は規制対象になりにくく、しかも他店との差別化になります。
- 数値・最上級・期間限定を根拠とセットにする 数値や「No.1」を使うなら、調査主体・調査時期・対象範囲を明記します。根拠を用意できない場合は、その表現自体を使わないと決めるほうが確実です。
効果を書けないという制約は、実はチャンスでもあります。多くのサロンが効能表現に頼るなかで、取り扱う商材名・工程・設計思想という「事実」で語れるサロンは、それ自体が専門性の証明になります。表現を削る代わりに、中身の具体性を増やすのが正しい方向です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の掲載内容の適法性を保証するものではありません。判断に迷う表現がある場合は、薬機法に詳しい専門家や所管の窓口へご確認ください。規制の運用は年々厳格化しており、過去に問題がなかった表現が現在は指摘対象となるケースもあります。
まとめ
HPBの掲載文は広告であり、医師法・薬機法・景品表示法の3つが同時にかかります。「結果の断定」を避け、「事実」で専門性を語る——この原則さえ押さえれば、大半の表現は安全圏に収まります。
まずはメニュー名・クーポン・紹介文・写真コメント・口コミ返信の5か所を、本記事の一覧表と照らして点検してみてください。そのうえで、削った効能表現の代わりに何を書くか。そこで効いてくるのが、取り扱う商材の専門性です。
