ホットペッパービューティーで価格競争から抜け出す!
専門メニュー名の設計術
HPBで「小顔」「痩身」と検索すると、似たようなメニューが価格順に並びます。この構造の中では、どれだけ技術が高くても安い店が勝つ。抜け出す方法はひとつ、比較される土俵をこちらから変えることです。本記事では、価格以外の判断材料を持たせるメニュー名の設計手順を解説します。
HPBが構造的に価格競争になる理由
HPBのユーザーは、エリアと施術ジャンルで絞り込んだあと、並んだメニューを上から比較します。このとき、メニュー名がどの店も「小顔矯正60分」「痩身コース90分」であれば、比較できる情報は価格しか残りません。
つまり価格競争は、値付けの問題ではなく情報設計の問題です。ユーザーは安さを求めているのではなく、判断材料がないから価格で決めているだけ。ここを取り違えると、値下げしても新規が定着しない状態に陥ります。
値下げで獲得した新規は、次回もより安い店を探します。価格で来た顧客は、価格で去る。HPBの投資対効果を上げたいなら、最初に直すべきは価格ではなくメニュー名です。
比較軸をずらす、たったひとつの方法
方法はシンプルで、メニュー名に「誰に・何を使って・どうなる」を入れることです。これだけで、ユーザーの頭の中の比較表に価格以外の列が追加されます。
- フェイシャル60分
- 痩身コース90分
- 小顔矯正+パック
→ 情報が「時間」と「価格」だけ
- 【乾燥・ゆらぎ肌】専売美容液の角質ケア60分
- 【産後3年以内】骨盤リズム+温感トリートメント90分
- 【マスク荒れ】鎮静重視・低刺激コース45分
→ 対象・手段・所要時間が明示されている
右側のメニューは、たとえ左側より高くても「自分向けかどうか」で選ばれます。価格の比較対象から外れるため、値引き圧力から解放されます。
選ばれるメニュー名の4要素
- 対象を冒頭に置く(【 】で囲む) 「【乾燥・ゆらぎ肌】」「【産後3年以内】」のように、誰向けかを最初の5〜8文字で宣言します。HPBは一覧表示で後半が省略されるため、最も伝えたい情報は必ず先頭に置きます。
- 手段・商材を具体的に書く 「専売美容液」「業務用〇〇(ブランド名)」「温感トリートメント」など、何を使うかを明示します。事実の記載であり効能表現ではないため、薬機法上のリスクを抑えつつ専門性を出せます。
- 所要時間と工程数を入れる 「60分」だけでなく「全7工程」「カウンセリング15分込み」など、中身の密度が伝わる情報を添えます。同価格帯でも内容の差が可視化されます。
- 変化は「方向」で示す 「−3cm」のような断定ではなく、「うるおいのある印象へ」「軽やかな仕上がり」など方向性で表現します。断定を避けることが、そのまま法令リスク回避になります。
メニュー名は全角25〜35文字を目安に。一覧表示では先頭15文字程度しか表示されないため、【対象】+商材名を必ず前半に収めてください。
メニュー名の作例ビフォーアフター
| ビフォー | アフター | 加えた情報 |
|---|---|---|
| フェイシャル60分 | 【毛穴・ざらつき】専売酵素+鎮静パック 全6工程60分 | 対象/商材/工程数 |
| 痩身90分 | 【デスクワーク中心の方】温感×ハンドの巡りケア90分 | 対象の生活背景/手段 |
| 小顔コース | 【フェイスラインの印象】筋膜アプローチ+専売美容液 50分 | 変化の方向/商材 |
| 初回体験 | 【はじめての方限定】肌診断30分+部分体験30分 | 対象限定/内訳 |
メニュー名は、店内の掲示ではなく広告の見出し。
「何をするか」ではなく「誰のためか」を先に書く。
メニュー構成の設計——入口と本命を分ける
メニュー名を整えたら、次は構成です。HPBで成果を出しているサロンは、メニューを役割で分けています。
初回限定・短時間・低リスク。値引きではなく「お試ししやすい設計」で作ります。
収益の中心。工程数と商材で価値を説明し、価格を正当化します。掲載順の上位に置きます。
2回目以降専用。HPB経由の新規を自店の顧客へ移行させる受け皿になります。
よくある失敗は、入口メニューを大幅値引きで作ってしまうことです。安さで来た人は本命メニューに移行しません。入口は「時間を短く・範囲を狭く」して単価を下げるべきで、同じ内容の値引きにしてはいけません。
値引きせずに入口を作るクーポン設計
- 部分体験型:全身ではなく「気になる1部位のみ」で時間と価格を圧縮する
- 診断付き型:施術より診断・カウンセリングを主役にする。原価がかからず価値は高い
- ホームケア同梱型:施術+専売品のミニサイズを組み合わせ、体験を持ち帰ってもらう
- 時間帯限定型:価格を下げず、空き枠の時間帯だけ提供して稼働率を上げる
特に3つ目は、施術単体の値引き競争から抜け出しつつ、後の物販につながる導線になります。原価は発生しますが、「使ってみて良かったから買う」という自然な流れを作れるため、押し売りが不要になります。
まとめ
HPBの価格競争は、値付けではなく情報設計の問題です。メニュー名に「対象・商材・時間と工程・変化の方向」の4要素を入れるだけで、ユーザーの比較軸に価格以外の列が加わります。
そして4要素のうち、他店が最も真似しにくいのが商材です。使用する専売品を明示できるサロンは、それだけで比較の土俵から一歩抜け出せます。
