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秋冬の乾燥・ゆらぎ肌は、9月に仕込む。

お客様が「乾燥する」と言い出したときには、すでに2か月遅れています

秋冬の乾燥・ゆらぎ肌は、9月に仕込む。
季節対応・販促設計

秋冬の乾燥・ゆらぎ肌は、9月に仕込む。 お客様が「乾燥する」と言い出したときには、すでに2か月遅れています

乾燥対策の提案を始めるタイミングを、多くのサロンが11月に置いています。しかし、お客様が乾燥を自覚してから動くのでは、比較検討はドラッグストアや通販で済まされてしまいます。気象データを見ると、環境が変わり始めるのは10月。つまり提案の準備は9月に終えておく必要があるということです。この記事では、9月の3週間で仕込むべきことを、カウンセリング設問から店販の並べ方まで具体的に整理します。

想定読者
フェイシャルメニューを扱うサロンのオーナー/店長
検索意図
秋冬の乾燥・ゆらぎ肌にどう対応するか知りたい/秋の販促と店販を設計したい
キーワード
ゆらぎ肌 秋/秋 乾燥 スキンケア サロン/秋冬 サロン 販促/ホームケア 提案
タグ
季節対応乾燥ゆらぎ肌カウンセリング店販ホームケア

なぜ「9月」なのか——データで見る秋の入口

「まだ湿度が高いから、乾燥の話は早い」。9月にそう感じるのは自然なことです。実際、東京の相対湿度の平年値は9月時点で75%あり、8月とほとんど変わりません。ところが、空気が実際に含んでいる水分の量(水蒸気の量)を見ると、話がまったく違ってきます

空気中の水分量(水蒸気圧・hPa) 相対湿度(%) 26.2 8月 21.5 9月 14.7 10月 9.6 11月 5.9 12月 4.5 1月 74 75 71 64 56 51 この2か月で、水分量は半分以下に
東京の平年値(統計期間1991〜2020年/気象庁)。相対湿度は9月から11月で11ポイントしか下がらないが、空気中の水分量は21.5→9.6と半分以下になる。

相対湿度は「その気温で含める最大量に対する割合」なので、気温が下がれば数字はゆるやかにしか動きません。一方、肌のまわりから水分を奪う力に直結するのは、空気が実際に持っている水分の量です。9月から11月にかけて、それが半分以下まで落ちます。体感が追いつくのは、環境が変わってから数週間後。この時間差が、提案の勝負どころになります。

75→64%相対湿度の変化
(9月→11月・東京平年値)
21.5→9.6空気中の水分量の変化
(水蒸気圧・hPa)
3週間9月中に確保したい
仕込みの期間
この記事の結論

秋冬の売上を決めるのは、11月の販促ではありません。9月のカウンセリングで、乾燥の話を「まだ起きていないこと」として先に伝えられたかどうかです。起きてから提案すれば対処、起きる前に伝えれば予防。同じ商品でも、受け取られ方が変わります。

「ゆらぎ肌」とは、何を指す言葉か

まず整理しておきたいのが、この言葉の扱いです。「ゆらぎ肌」は医学的な診断名ではなく、季節の変わり目に感じる一時的なコンディションの変化を指す、生活者側の言葉です。だからこそ検索され、共感もされます。

サロン側が注意すべきは2点。ひとつは、この言葉で示される状態の中に、専門家の判断が必要なものが混ざり得ること。もうひとつは、肌トラブルを改善する・治すといった表現は使えないということです。使うべきなのは、状態を決めつけず、お客様自身の実感に寄り添う言い方になります。

避けたい言い方

「それはゆらぎ肌ですね。このコースで改善できます」

置き換える

「季節の変わり目に、そう感じる方は多いです。今の状態に合わせて、しばらく手順を軽くしてみましょうか」

前者は診断と効果の断定です。後者は同じ内容を伝えながら、断定を避けています。ヒリつき・強い赤み・長引く不調がある場合は、施術を勧めるより医療機関の受診をご案内するのが原則です。

秋の肌に、同時に起きている3つのこと

秋の不調が分かりにくいのは、原因がひとつではないからです。お客様に説明するときは、次の3つに分けると納得が得られます。

① 夏の負荷が、遅れて表に出る

紫外線、冷房、冷たい飲み物。夏に受けた負荷は、その場では自覚されにくく、秋になって乾燥やごわつきとして意識されます。9月の不調は、8月の生活の結果として説明すると腑に落ちやすくなります。

② 環境が先に変わる

空気中の水分量は10月に大きく落ちます。さらに暖房が始まれば、室内はより乾いた状態になります。体感が追いつく頃には、環境はとっくに冬になっています。

③ 寒暖差で生活リズムが乱れる

朝晩の気温差、睡眠の質の変化、入浴時間の長期化。生活側の変化が重なる時期でもあります。カウンセリングで生活を聞いておくと、提案の根拠がここから取れます。

お客様は「秋になったから乾燥した」と考えます。
実際には、夏の過ごし方と秋の環境が、同時に効いています。

カウンセリングに足す、秋の5設問

新しいシートを作る必要はありません。既存の設問に、季節限定で5つ足すだけです。9月の来店時に一度聞いておけば、10月以降の提案がすべてこの回答を根拠にできます

設問 聞く理由 提案への使い方
この夏の日焼け 負荷の量を把握する。屋外活動やレジャーの有無 秋のケアの優先順位を決める材料になる
冷房下の時間 1日の在室時間と、風が直接当たるかどうか 職場環境が原因なら、日中の対策を提案できる
去年の秋冬の状態 その方に毎年起きるパターンを確認する 「去年と同じ時期に」と言えると説得力が出る
暖房を使い始める時期 室内環境が変わるタイミングを先に押さえる 提案する切り替え時期を、生活に合わせられる
今の手入れの工程数 増やせる余地があるかを見る 余地がなければ、置き換えの提案に切り替える

とくに有効なのが「去年の秋冬はいかがでしたか」です。多くの方が、毎年ほぼ同じ時期に同じ変化を経験しています。本人がそれを自覚した瞬間、提案は売り込みではなく予定されていた対策に変わります。

9月の3週間ですること

やることを増やしすぎると、結局どれも中途半端になります。9月に必要なのは次の5つだけです。順番にも意味があります。

  1. 第1週|在庫と品揃えを確認する

    秋冬に動くアイテムの在庫を確認し、不足があればこの時点で発注します。提案を始めてから欠品が判明すると、その場の熱量がそのまま失われます。取り寄せに時間がかかる商材は、9月上旬が締め切りです。

  2. 第1週|スタッフ全員で1本のトークに揃える

    「なぜ今の時期に伝えるのか」を、全員が同じ言葉で説明できる状態にします。担当によって説明が違うと、お客様は判断を保留します。上の気象の話は、そのまま根拠として使えます。

    「湿度の数字はまだ高いのですが、空気が持っている水分の量は、来月から一気に減っていきます」
  3. 第2週|カウンセリングに5設問を追加する

    シートに刷り込む余裕がなければ、付箋やメモ欄で構いません。重要なのは、全員が必ず聞く状態にすることです。

  4. 第2〜3週|既存客に先に声をかける

    新規募集より先に、昨年の秋冬に来店があった方へ連絡します。前年の同時期に反応した層は、今年も反応する確率が高い層です。「去年のこの時期に〜」と書けるのが、既存客向け配信の強みです。

    セグメントの作り方:昨年10〜12月に購入・来店があり、直近3か月は来店がない方。
  5. 第3週|次回予約の導線を整える

    10月・11月は、来店間隔が空くと状態が戻りやすい時期です。その場で次回を押さえる流れを、9月のうちに定着させておきます。

提案は「足す」ではなく「順序を変える」

秋になると、つい工程を増やす提案をしがちです。しかし工程が増えるほど継続率は下がり、結果として「効かなかった」という記憶だけが残ります。

反応が鈍い提案

「乾燥の季節なので、これとこれを追加しましょう」

置き換える

「工程は今のままで大丈夫です。1つだけ、季節に合わせて入れ替えましょう」

増やす提案は、時間とお金の両方を要求します。入れ替えの提案は、どちらも増やしません。決定のハードルが下がるぶん、実際に使われ、実際に体感につながります。

反応が鈍い提案

「乾燥が気になってきたら、お使いください」

置き換える

「10月の後半から、朝だけこちらに替えてみてください」

条件つきの提案は、判断をお客様に丸投げしています。時期と使う場面を指定すると、そのまま行動に移せます。使い始めの時期を決めておくと、次回来店時の確認もしやすくなります。

店販につなげる並べ方

秋冬は、ホームケアの提案がもっとも自然に通る時期です。理由は単純で、お客様自身が変化を自覚するタイミングと、提案の時期が一致するからです。ここで詰めておくべき点をまとめます。

  • 提案は施術後ではなく、カウンセリングの計画説明の中に置く
  • 同時に勧めるのは2点まで。3点を超えると決定が先送りになる
  • 「朝1分」のように所要時間を伝え、生活に収まることを先に示す
  • 使い始める時期を指定する(例:10月下旬から、暖房を入れたら)
  • 次回来店で使用状況を確認すると伝える。確認の約束が継続率を上げる
  • 店頭では、季節の並びに変える。秋冬向けを目線の高さに集約する
  • スタッフが自分の言葉で体感を語れる状態にしてから店頭に出す
  • 効果には個人差がある旨を、提案の段階で必ず添える

売れ筋を増やすより、1点あたりの説明の深さを上げるほうが結果につながります。取扱いを広げる前に、既存商材の再購入率を確認してください。少量から仕入れて反応を見られる体制があると、季節商材の判断が速くなります。

表現の注意点

季節の話題は共感を得やすいぶん、表現が過剰になりがちです。SNS投稿・店頭POP・口頭説明のいずれも、広告に準じた扱いになります。

領域 注意する内容
効能の表現 化粧品について、医薬品的な効能や治療効果を示す表現は使えません。肌トラブルが「治る」「改善する」といった言い方や、「必ず」「確実に」などの保証表現も避けます。
状態の断定 お客様の状態を診断するような言い方は避けます。専門家の判断が必要と思われる場合は、施術ではなく医療機関の受診をご案内してください。
体験談・写真 お客様の声を掲載する場合も、認められていない効能を表現することはできません。撮影条件の異なる比較写真や、加工した画像の使用にも注意が必要です。
期間限定の訴求 季節キャンペーンでは、適用条件・期間・対象を同じ画面内に明示します。条件を欠いた割引訴求は、景品表示法上の問題になり得ます。

法令の解釈や運用は改正されることがあります。実際の表示内容については、所管の窓口や公表資料、必要に応じて専門家にご確認ください。

まとめ

秋冬の乾燥対策は、11月に始めても遅すぎます。空気中の水分量は9月から11月で半分以下になり、お客様が自覚する頃には、環境の変化はすでに終わっています。だからこそ、9月に伝えておくことに価値があります。

やることは多くありません。在庫を確認し、説明を1本に揃え、カウンセリングに5つの設問を足し、去年の秋冬に来ていた方へ先に声をかける。提案は増やすのではなく、入れ替える。この形にすれば、店販は売り込みではなく季節の切り替え作業になります。

まずは、昨年10〜12月に来店のあったお客様のリストを出してみてください。今年の秋冬の売上は、その名簿の中にほとんど入っています。

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